仏像彫刻の木材はどう選ぶのか

彫刻の木材については、木色の味わいの好みで決めるのもよいのですが、こちらでは、仏像彫刻に適した木目が細かく質感の良い木曽檜、且つ、柾目の木目を選定しています。

 

 

・木目が細かいことの利点

木目の年輪幅が広いと、木目箇所が欠けやすかったり、顔などの細かい箇所が彫りずらかったりします。

 

年輪模様が目立ちづらいので、彫刻していて、変な所に模様が出てしまったということが起こりづらく、最終の仕上がりがキレイです。(もちろん、その模様を生かすのも木彫の醍醐味でもあります。)

 

・檜の利点

良い香りがあり、仕上がりにあたたかい質感が出る。

住宅の高級材に使われているように耐久性があり、香りが良く、触り心地が良い。

バサついておらず、しっとりと粘り気があるので、細かい加工がしやすい。

木曽檜は、檜の中でも木目が細かいので、仏像彫刻に重宝されています。並べた画像を見てもらうと、木目の幅と質感の違いがわかりやすいです。👇

・柾目(まさめ)の利点

柾目とは、、、

木材の製材する際に、(極端に言うと)柾目板目という模様の違いが出てきます。

図で載せます。(手書きでごめんなさい。)

図で分かるように、柾目で切る事の出来る部分は限られているので、その分、少し高価になります。マグロで言うトロの様な部分です。

 

柾目・・木目が真っ直ぐに出ている木材
板目と比べて彫りやすく、仏像の顔やお腹に木目が出にくいです。


板目・・木目が平行に通っておらず、山形や波形の木目がでている木材

彫りずらく、仏像の顔やお腹の部分に波形の模様が出てきて、完成の見た目が悪くなる事があります。

 

☑木材に節がないか

節の周りは、木目が入り組むので彫刻するのがが難しいです。また、割れやすいですので、仏像彫刻の木材としては避けるのが無難です。柾目でも、節が近くにあると木目が極端に斜めに流れているものがありますが、これも彫りにくいです。  

 

☑他に気を付けていること

・木材を使う向き

立っている木を輪切りにした頂点の部分を木口(こぐち)といいます。

木口は彫りにくいので、仏像の頭に持ってきます。

横にしてしまうと、顔正面や耳を彫るのが難しくなるからです。

本職だと、彫るパーツに合わせて、木材の使う箇所を適材適所させていきます。 



 

Q.木材はホームセンターで売っているものでも大丈夫ですか?どんな木材がいいですか?

 

A.

彫刻に適している木材がありますので注意が必要です。

 

杉や桐などは柔らかくて粘り気がないので、仏像には向いていません。かなり刃物を研がないと削るのが難しいです。また、木目が流れていたり節があっても彫るのは難しくなります。

こちらは過去の音声配信で話していますので、クリックして聞いてみて下さい。

 


 

仏像彫刻用の良質な木材が手に入れたい方へ、

仏師が厳選した木曽ヒノキを販売してします。

欲しい木材の大きさ・作りたい仏像の種類をご相談ください。

 

仏師が本職用としても使用する良質な木曽檜を目利きして仕入れ、節や木目、質感を考慮して、仏像彫刻しやすい製材をしています。

 

オリジナルの大きさの木材は、彫刻玄人の方からが多いのですが、彫刻のしやすさや仕上がりが良いと、リピート頂けています。

 

基本的には柾目で切ります。

(板目が要望の場合は板目で切ります。)

 

 

 

オーダーメードでのサイズのご発注のため、時間に余裕を持って、ご相談・ご発注下さい。


仏師 坂上俊陽

Toshiharu Sakagami

 

2009年独立後、石川県金沢市にて、工房を構え、

年間20体以上の仏像を納める。

 

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