基本的には、木曽檜で仏像彫刻していますが、
今回は、思い入れのある杉の建材を使って阿弥陀様を作って欲しいと、ご依頼を頂戴しました。
杉の木材でも、仏像を彫ることは出来るのか。
【結論】
可能ですが、木曽檜と比較すると、刃物の切れ味を相当良くしないと、仏像を仕上げるのは難しい。特に、顔や螺髪などの細かい作業が必要な場所への使用はおすすめしません。
お客様から木材が届きました。
まっすぐで、年輪の幅は狭い木目なので、なんとかなりそうです。
真ん中に穴があるので、この箇所を外したら、2体分の木材が取れました。
鉋がけをすると、きれいな木目が出てきました。
図案を描いていきます。
輪郭を彫りました。
彫ってみると、
刃物をかなり研いで切れ味を良くしないと、木の表面がバサバサになってしまいます。
また、木目に対して横削りをすると年輪の所で刃の進みが鈍くなります。
木曽檜のようにサクサクは彫れません。
また彫刻刀が傷がつきやすく欠けやすいので注意が必要です。
仏像は、顔を筆頭に、細かい彫刻が必要なので、素人にはおすすめしません。
もし杉を選びたい場合はこれ以上に年輪が細かい木材を選んだ方が良いでしょう。
杉の中でも屋久杉などは比較的彫りやすいかと思います。
当工房では、年輪が細かく、彫りやすい木曽檜の木材を提供しています。
仏像彫刻を検討されている方はぜひ覗いてみてください。
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